南には霊峰「白山」と加賀平野、北には「河北潟」、西には「日本海」と、ここ大野町は歴史的には荘園時代からの1280年以上の歴史を持つ古い港です。
ここは、白山とそこから流れる川が作った扇状地の扇端で、古くから伏流水が湧き出ている場所でした。
この清洌で豊かな地下水が、しょうゆ醸造のための仕込み水として使われてきました。かつては、「ほんぬき」「もっくり」などと呼ばれた「湧水」が街道沿いにありました。
金沢の風土に根差した味、素材の味を活かすような後味のよさを求めて、丁寧に作っています。どれも根底にあるのは、「伝統的な醸造の技術をつかい、自然な味を追い求めること」と「今のご家庭で使いやすいこと」。
例えば、「いしる」は能登半島伝統の魚醤で、ガツンとどっしりした旨みが特徴ですが、そのままでは塩分も濃く馴染みがないもの。だからヤマトではその味わいの良さを活かして、万能だしに仕上げました。使い方はシンプルに、お湯で1:6で割るだけで、うどんにも、鍋料理にも。魚醤ならではの風味がほんのりと、ついつい一口、二口と食べたくなるようなおだしになっています。
現代の日本人のライフスタイルは欧米化し、毎日がハレの日のように食生活も豪華に。栄養も偏りがちで、肥満や生活習慣病が大きな問題になっています。
世の中には健康や美容に関する情報や商品があふれ、日々の暮らしの中で何を基準にして、何を食べたら良いかということが判然としていません。
こんな今だからこそ見直したいのが、世界一の長寿国を作り上げた「日本の伝統食」です。
和食の基本は「一汁一菜の様式で、かつ種類豊富な発酵食品を摂ること」。一見、質素な食事スタイルですが、脂質や砂糖が少なく、ビタミン・ミネラル・食物繊維・酵素・発酵菌(糀&酵母&細菌の「菌体」)が含まれる、栄養バランスの良い健康食なのです。
私たちヤマト醤油味噌は、糀(麹)を使った発酵食品(発酵調味料)の製造を通して、この美味しくて健康な食スタイル、いわば「日本の食の知恵の結集」を次代に繋げていきたいと心より願い、その実現のために行動しています。